ロングテール・キーワードの活用方法
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ハマチとブリのあやしい関係
ブリは冬の味覚である。南の海からオホーツク海まで回遊しているこの魚は、成長によって名前と商品価値が変わる出世魚としても知られている。幼魚から成魚に至るまでに、関東ではワカシ、イナダ、ワラシ、ブリ、関西ではツバス、ハマチ、メジロ、ブリ、と名前を変える。
いずれの地域も90cm以上に成長しているものをブリと呼ぶ。
成長過程で分類するだけではなく、養殖物のブリもハマチと呼ぶことがあるからややこしい。
これは商品価値による区別で、
「ブリ」と「ハマチ」とで名前を変えることによって、ブリのブランド価値を高めているのである。

キーワード・マーケティングでは、このように商品名を細分化することによって、ビッグキーワードがロングテール・キーワードになることもある。
高級志向の広告対象者へ露出したい場合はブリで、それ以外はハマチで、などの細分化である。もっとも、鮮魚を販売するサイトも、ハマチとブリも区別して販売するサイトも想定しにくいが、検索キーワードによって、検索者を分類することができる。
なんでハマチはハマチ、ブリはブリなのか?
検索ボックスで検索する場合、検索者は明確な目的があることが多い。多くの場合、なんらかの疑問や新しい知識を得るために検索しているからだ。
たとえばハマチとはなにか、なぜハマチなのか、ブリとどこが違うのか、などの疑問からする検索。これらの検索は、単語ひとつで構成されているシングルワードであることが多い。
知識欲を満たした後、そのキーワードが物品であった場合その評価情報を検索する場合がある。たとえばハマチは美味しいのか、ブリより美味しいのか、何時のハマチが美味しいか、などである。またハマチを買いたい、と思ったときや、ハマチを購入した後で料理方法を検索したりする。
検索者の目的が具体的になればなるほど、物品の名前だけというシングルワードから、「○○ 販売」「×× レシピ」などの2単語以上のスペースワードになる傾向がある。
このように検索されるキーワードには検索者の目的があり、その目的によって検索者を分類できる。
最終的に購入に至るコンバージョンに至りやすいキーワードは購入を意図している検索キーワードであるが、そのほかにも様々な目的で商品検索されているのである。 ロングテールのキーワードを観察するとスペースワードであることが多い。
この単語の組み合わせを見ることによって、検索者の検索目的を想定することができる。
検索目的に主眼をおいた場合さまざまな種類の検索があることがわかる
この検索目的を商品検索に当てはめた場合、商品購買行動にいくつかの段階があることが見えてくる。ある商品が欲しいと思ったとき、いきなり衝動買いすることは滅多にない。たとえばハマチを全く知らない人がハマチを購入する場合、いきなり魚屋でハマチを衝動買いするよりも、ハマチに関する情報を集めるところから始める。人に聞いたり、料理本を見たり、魚屋で聞いたり、インターネットで調べたりする。この商品に関する情報を集めるところから実際に購入するまでを整理すると、いくつか段階が見えてくる。
一般的には(1)商品に関する情報を集め、(2)すでに購入している人やその分野に詳しい人の意見や評価を聞き、(3)その商品を販売しているところを調べてから購入する。これらの段階は、おおまかに分類して下記の5段階のものがある。
| 購入意思決定段階 | 内容 |
| 知識段階 | 商品・サービスの存在を知る |
| 態度段階 | 商品・サービスに対して好意的・非好意的な 態度を形成する |
| 決定段階 | 商品・サービスの購入・導入を決定する |
| 実行段階 | 実際に使用する |
| 確信段階 | 決定についての補強を求める |
商品の購買意思決定段階
4種類の情報検索
購買意思決定の各段階における情報検索は、検索する情報が異なる。情報検索の種類をおおまかに分類すると、
(1)商品・サービスについての情報検索
(2)商品・サービスに対する評価の検索
(3)商品・サービスを購入・導入するための手段の検索
(4)商品・サービスを購入・導入した後に、その購入・導入が正しかったのか
を調べるための検索の4種類が考えられる。
(1)の情報検索は、商品がどんなものか、どのように機能するかなどの情報である。
ハマチでは苦しいので、わかりやすい家電製品にする。たとえばデジタルカメラという商品を初めて知ったとき、どのような機能が付加されているか、デザインはどうなのか、または販売価格はいくらなのか、などである。
それに対して(2)の情報検索は、その商品に対して人々にどのような評価を下しているか、実際にそれを購入した人の意見には、肯定的なものが多いか否定的なものが多いか、などの検索である。
上記(1)(2)の情報検索対して、(3)の検索は、商品・サービスを購入することを前提として、どのようにしたら購入・導入できるか、という情報の検索になる。どこで販売しているのか、どこの購入方法が低コストなのか、などである。
このなかで(4)の情報検索は、購入・導入後に自分の判断が正しかったかを確認する行動になる。これらの情報検索を表1の購買意思決定段階に当てはめると下記の表2のようになる。
| 検索の種類 | 検索が行なわれる段階 |
| 商品情報の検索 | 知識段階から態度段階まで |
| 評価情報の検索 | 態度段階から決定段階まで |
| 購入・導入のための検索 | 決定段階から実際の購入・導入まで |
| 商品・サービスの確認 新しい使用方法 |
購入・導入後 |
具体的なキーワードを例にとると、(1)の場合、検索ボックスにおいては単純な商品名を入れて検索することが多い。たとえばiPodについての情報を検索するのであれば、単に「デジタルカメラ」と入力して検索する、もしくは検索の精度を上げるために「デジタルカメラ メーカー名」などの複数キーワードで検索する。またはニュースサイトで類似情報を探したりもする。
(2)の情報を検索する場合は、それらの検索動向・検索キーワードが少し異なる。検索ボックスでの検索の場合には、たんに「デジタルカメラ」などの商品情報を検索する場合も多いが、「デジタルカメラ レビュー」など、メーカーサイトや製品情報を提供しているニュースサイトではなく、ブログなどの消費者が発信しているサイトを検索する。
また専門サイトやブログ検索エンジンで検索している場合も同様である。
これらに対して(3)の情報検索の場合は、商品を入手するための検索になる。どこのサイトで販売しているか、どこのサイトが安価に販売できるか、プレゼント提供してないか、などの情報を入手するための検索である。
この場合検索キーワードは「デジタルカメラ 販売」「デジタルカメラ 安い」などのキーワードで検索されることが多い。
コンバージョン率を高めるキーワード選択
上記の段階が後ろの情報検索になればなるほど、実際に商品やサービスの購入・導入する消費者は多くなる。したがって購入・導入を目的としたキャンペーンの場合、(1)(2)の情報検索者よりも、(3)の情報検索者を対象としたほうが、購入・導入から近い段階になるため、コンバージョン率は良くなる。
いわゆるコンバージョンが良い広告対象者とは(3)の情報検索をする人々であり、コンバージョンが良いキーワードとは、具体的な商品名や商品型番とか、スペースワードで「販売」「安い」などのキーワードを含んだものになる。
広告キャンペーンを行なう側に立ってこれらの検索行動を考えると、(1)(2)段階の対象者を除外、(3)段階の対象者に対して効率よくキャンペーンを行なうことが、コンバージョン率を上げることにつながるのである。
(執筆:VIXIA クライアントサービス・グループ 池村健郎)
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